マイラブ豊かな人生

思い出探しと日々雑感

亡き友を偲ぶ

高校の入学式の時初めて出会った同級生。

成績も良く、体操の平均台や平行棒なども上手にこなす。

水泳部員が足らず大会には頼まれて出るほどでした。

そのクラスメイトとなぜか仲良くなりました。

2年生になると生徒会長選に出るという。

先生からの信頼も厚かったが、全校生徒を前にして行った

演説はとにかくインパクトがあり、結果ほとんどの票を集め

文句なしの会長に選出されまっした。

高校を卒業してからも親交は続いていました。

いつも元気印で病気とは無縁と思われていたのですが、

電話がある度に「体がだるくてだるくて仕事が大変」という。

病院へ行ったところ、難病で余命5年と宣告されたのです。

それからはご主人の至れり尽くせりの生活が始まりました。

ところが、それからすぐにご主人の癌が見つかり、今度は難病の人が

ご主人の世話をすることになり、わずか数か月でご主人は亡くなった。

こんなことってあるの?

私も仕事の合間に電話したり、メールをしたり、手紙を書いて寂しい

思いをさせないようにと思っていたけれど・・・

ある日携帯に電話したがつながらない。メールも送れない。

どうしたのだろう?と家電にかけたところ、泣いているのがわかった。

「いつ電話がかかってくるか、メールが来るかもしれないといつも携帯を

握りしめていたけど誰からも何の連絡もない、だから解約したの」

「寂しくて悲しくて、孤独でどうしたら良いのかわからない」

「あなたにはこんな私の気持ちなんてわからないでしょう」と言った。

本当に申し訳ない気持ちで胸が苦しくなりました。

5年の余命宣告だったけれど、発病から7年後に他界。

よく頑張ってくれたと思う。

もし子どもがいたらまた違っていたかもしれない。

私もまた子どもがいないので、歳を取ればとるほど寂しい気持ちは募る。

子育てをしてみたかったし、賑やかな家族団らんも夢だったけれど。

今はコロナ禍でもあり、誰もが孤独を感じているかも知れない。

私も今は友人の寂しさが痛いほどわかります。

誰かに気づいてもらいたいのに気づいてもらえないのは寂しすぎる。

こんな時だからこそ、誰かが誰かを一人でもいいから繋がっていれば、

孤独死も防げるかも知れない。

若くして逝ってしまった彼女の分までしっかり生きたいと思うのです。

不思議な縁で今は彼女の妹さんと思い出話ができるようになっています。

彼女がつないでくれた縁をこれからも大切にして行きたいと思っています。